あやかしの集う夢の中で
「ちょっと桜介。

舞ちゃんが部室に来たからって、デレデレしすぎでしょ。

桜介は本当にかわいい子に弱いんだから。

少しはその軟派な性格を治した方がいいんじゃない?」



そう言って、桜介の頬っぺたを軽くつねったのはオカルト部の副部長の園宮愛理だ。



愛理は桜介の幼なじみで、ちょっと勝ち気なショートカットの美少女だ。



二重のパッチリとした目がかわいらしい愛理は学校中の男子に人気がある。



愛理がまだ一年生だった頃は、男子の先輩たちが愛理の美少女ぶりに群がるほどにモテていたし、もちろん今でもモテている。



学校内では大人気の愛理だったが、桜介はそんな愛理を幼なじみとしてしか見ていなかった。



「桜介君と愛理ちゃんは本当に仲が良いですね。

カノンは二人がうらやましいです。

カノンも仲良しさんが欲しいです」



優しい笑顔を浮かべてそう言ったのは、癒し系の童顔美少女、綾瀬カノンだ。



カノンはちょっと右の方に分け目があるふんわりとした長い髪をしていて、笑った顔が本当にかわいらしい。



それに童顔で149cmと小柄なのに、胸だけがやたらと大きくて、そのアンバランスさがカノンの癒し効果を上げていた。



桜介はカノンの優しい笑顔を見ると、またデレッとだらしなく笑って、カノンに話しかけていた。
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