あやかしの集う夢の中で
「おい、時宗。

どうするつもりだよ!

どこに逃げればいいんだよ!」



桜介は近づいてくる敵を見つめながら、時宗に叫んでいた。



早くしないと自分たちは舞の夢の中で全滅してしまう。



そうしたら、現実の世界の自分たちは二度と目を覚まさない。



そうなる前にどうにかしないと……。



桜介が一分一秒を急いで焦っている中、時宗がいつもと変わらぬ冷静な声でこう言った。



「逃げるつもりは少しもない。

オレたちはあの夢妖怪を全滅させる」



「はっ?

何言ってんの、時宗。

あのものすごい数の敵が見えないのかよ!」



桜介はそう言って、時宗に叫んだが、時宗はその言葉を聞き流し、目の前の敵に集中していた。
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