あやかしの集う夢の中で
「我に宿る風の力、目の前の敵を抹殺せん」



時宗がそう言ったあと、時宗の目がキラリと光った。



「行け、大風殺!」



時宗がそう叫びながら敵に向かって右手を天高く掲げてそれを一気に振り下ろすと、時宗の右手から巨大な風の刃が現れれた。



その弧を描いている風の刃はまるで巨大な鎌のようで、それが時宗の右手から解き放たれていくと、ものすごい勢いで敵の群れへと飛んでいった。



それを見ていた桜介は、目の前で起きているまるでマンガのような出来事に声も出せずに固まっていた。



夢の中の世界ではあり得ないことが起きるんだ……。



そんなことを思いながら。
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