あやかしの集う夢の中で
桜介はそう叫んだあとに、大群でうごめきながら迫り来る夢妖怪たちを見つめていた。



目を凝らせば、薄暗い大地の上を赤や緑や紺色の恐ろしい顔をした夢妖怪たちがひしめきあっている。



この夢妖怪たちを全滅させなくては舞の大切な夢を守れない。



そして自分は時宗に頼らないで、自分の力で舞の夢を守りたい。



舞は自分の大切な仲間だから。



自分は大切な仲間が集まるオカルト部の部長だから。



桜介は自分に炎属性があると信じ、自分が今から放つ炎の技をイメージしていた。



(夢の中の世界では思いが強いヤツが最強なんだろ。

だったら、夢の中世界でオレは最強だ。

オレはずっと思い続けてきたんだ。

すべてが自分の思い通りになる世界の中で、キラキラと輝く主役になるって)



桜介はそう思うと、強い決意と共に前を向いた。



「オレの中に宿る炎の力よ、今こそここで具現化しろ!」



桜介は誰よりも強い思いを持ってその言葉を叫んでいた。



「敵を燃やし尽くせ。

スーパー大炎上!」



桜介がそう言って敵に向かって右手をかざすと、桜介の右手から巨大な炎が飛び出していった。



そしてその巨大な炎は敵に近づくにつれ勢いよく燃え広がり、たくさんの敵を焼き尽くした。
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