あやかしの集う夢の中で

「いたぞ、人間だ!

しかも女だぞ!」



槍を手にした紫色の夢妖怪がよだれを垂らしながら叫んでいた。



愛理はそんな夢妖怪を見て、更に不機嫌になっていた。



「今の私は機嫌が悪いの。

手加減はしないからね」



愛理はそう言うと、真剣な顔つきで身体中にあるエネルギーを右手に集中させていた。



そして右手を天高くかざして、それを一気に振り下ろすと、夢妖怪たちに向かって叫んでいた。



「これでもくらえ!

電撃シャワー!」



愛理が雷系の技を放った次の瞬間、空から槍のような電撃が雨のように降り注いできた。



その威力とスピードは前に愛理の技を見たときよりも数倍上で、桜介は愛理の強さに驚いていた。



そして嵐のような時は過ぎ、空に浮かんでいた電撃の槍がすべてが敵や大地に突き刺さったとき、十体ほどの夢妖怪たちはその場に倒れ、まるで泡のようにその場から姿を消した。



桜介は愛理のその戦いを見て、愛理がものすごい電撃使いだとハッキリ気づいた。



またそれと同時に愛理を必要以上に怒らせるのは止めようと考えていた。



「夢妖怪のくせに、私をターゲットにしようなんて十年早いわ」



愛理はそう捨てセリフを吐くと、ようやく怒りのエネルギーが抜けたみたいに、穏やかな顔でみんなの方を振り返った。
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