青は奇跡
よく考えてみれば、燦が気象病なんじゃないかと知ることが出来たタイミングはたくさんあった。
梅雨の異常なほどの欠席の多さ。
夏休みの終わりの方の雨が降った日。
秋雨前線によって雨が数日間降り続いた日。
気まぐれに雨が降った日。
雨が降りそうで降らなかった日。
押し潰されてしまうんじゃないかってくらいに重たい雲が広がっていた日。
雪が降った新学期。
燦が学校を休んでいたのは、全部、天気が悪い日。
なんで気付かなかったんだろう。
それに、燦はよく空を見ていた。
話を聞いてしまった今なら分かる。
たぶん、天気のちょっとした変化も見逃さないようにするため。
燦が空を見上げることが多かったのは、空が綺麗だとか何も考えたくないとかそんな能天気な理由じゃなかったのだ。
天気を気にしないと自分の体がもたないから。
きっと燦は重度の気象病なのだろう。
雪が降ったことにより、倒れてしまったから。
わたしたちは、あの美術館で同じ気持ちで空の絵を見ていたのだと思っていた。
でも、それはわたしの勘違いだ。
燦はどんな気持ちでたくさんの空を見つめていたのだろう。