青は奇跡






……わたしが燦にしてあげられることはあるだろうか。




話を聞いてしまったからには、何もしないことは卑怯であるように思えた。




席替えをして、教室の真ん中のあたりで友達に囲まれながら楽しそうに笑っている燦は元気そのものだ。




窓際の一番後ろという特等席を手に入れたわたしは、空が教室の誰よりも見やすい。


この地域の冬は寒く乾燥しているため、雪が降らない限りはほとんどが晴天だ。


今日もすっきりと青い空が広がっている。




保健室で不安げに震えそうな声を抑えていた燦はこの教室にはいない。





「ちづー、次実験だよ、行こう」


「うん、今行く」


「珍しい、移動教室のこと忘れるなんて」


「そうかな」


「うん、今日はなんか『心ここにあらず』って感じ」


「進路とかの悩み?」


「あ、進路といえばさあー……」





今日はずっと晴れているって天気予報でも言われているから気にする必要はない。


だけど、どうしても気になってしまう。




小さな雲をひとつ見つけただけで、また燦は倒れてしまうんじゃないかと心配になる。





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