青は奇跡
燦が登校してきたのは、3日後の木曜日だった。
これほど長期間休む生徒はインフルエンザにかかった時を除いてあまりいないため、登校するや否やすぐにクラスの注目の的となった。
燦にかけられる声のほとんどは、欠席理由を追及するものだったけれど、当の本人は「ちょっと」とか「いろいろあって」とか「俺も暇じゃない」とか言ってのらりくらりとかわしていた。
周囲から人の絶えることのない燦を見ていると、改めて燦が人気者であることを実感した。
……よくわたしなんかと付き合ってくれているな。
燦の様子を教室の端の方から見ているわたしとは雲泥の差だ。
不意に、燦がわたしの方を振り向いた。
人の隙間から、口パクで「おはよ」と確かに言った。
突然のことに固まってしまい、同じように「おはよう」と返すと、太陽の下で干した布団のような笑顔が返ってきた。
たったそれだけなのに、わたしは何とも言えない幸福感で胸がいっぱいになった。