青は奇跡






「とっ、とにかく。今日は…」





メモした連絡を読み上げていくうちにいつものペースを取り戻してなんとか仕事を終えられた。




なんだ、ちゃんと聞いてくれるじゃん。


聞く気はあるらしく、時々つっかえるわたしの聞き取りづらい声に茶々を入れることもなくメモを取るのが分かった。





「こんな感じだったよ」


「了解」


「じゃあ、また明日」





それで今日の会話は終わった。





「…びっくり、したあ」





電話を切ると言葉が漏れ、顔が熱いのが分かった。


…緊張したのかも。


電話なのに緊張するなんて、やっぱりわたしは弱い。




そう。わたしはすぐに緊張してしまい、先生に指名されただけで顔が赤くなってしまうのだ。


誰もわたしの答えなんて気にしてないよ、と思ってもわたしの意思などお構いなしに体温は上昇してしまうのだ。


普通にしていれば注目されないのに、不自然な態度になってしまい下手に人目を引いてしまう。




わたしって損する人なんだろうなって思う。





< 4 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop