青は奇跡
「どこ行くの?」
「別に大したところじゃないよ」
「そうなんだ」
「ちょっと待ってな」
「……分かった」
よく分からないな、と思って廊下のポスターを眺めていると、後ろから誰かに抱きつかれた。
「うぇっ?!」
「あははっ、藤野さん反応面白すぎ!」
「河合さんか……」
「これからデートなの?」
「でっ、デート!」
「だって待ってなって言われたんでしょ?」
「や、待っててって言われただけでデートはちょっと……」
「これは絶対デートだね!」
「ミホ、邪魔しちゃだめでしょ」
「じゃあね、藤野さん」
「うん、じゃあね」
いきなりデートなんて言われるから顔が熱い。
こんな顔燦に見せられない。
「行くぞ」
いつの間にか燦が横にいた。
歩き出したのでわたしもあとからついて行く。