二度目の初恋
オレの目の前に立ったゆいぼんにオレは問いかけた。


「ゆいぼん、なんでここに?」

「悠永くんのこと探してたの。始業式なのに来てなかったから心配になって。それで学校終わってからもずっと駅前でうろうろして悠永くんのこと探してたんだ。もしかしたら夕方学校に来るかもしれないと思って来てみたらビンゴだったね。ビンゴ効果継続中みたい」


ゆいぼんはふふっと笑った。

向日葵はまだオレの前でだけ咲いてくれているようだ。

冷房がガンガン利いているというのに、オレの体はぽかぽかしてきて、顔は火照っている気がした。


「なんかごめん。探させちゃったみたいで」

「ううん、いいの。かくれんぼみたいで楽しかったから。ところで悠永くんはここで何やってるの?」


ゆいぼんがオレのノートを覗き込んでくる。

突然現れた謎の少女に同じ教室にいる人から鋭い視線を感じ、オレは教科書類をリュックに乱暴に詰め込んで席を立った。


「ゆいぼん場所変えよう」

「えっ?」

「オレに着いてきて」


ゆいぼんは困惑したようだったが、状況を理解してくれたみたいで黙ってオレの後を歩きだした。

昔は本当に察しが悪いというか、空気が読めなかったから、こういう時は無理やり手を引っ張っていくしかなかった。

もっとも、そんなことをしていたのは怜奈だけだったが。

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