愛艶婚~お見合い夫婦は営まない~




それから私は、ぼんやりと外を見たりテレビを見たりして一日を過ごした。

一方で増田さんは昼食を作り終えてから、洗濯物をしまい片付け、アイロンがけをし……日がくれた頃には夕食を作ってくれた。



リビング隣の六人がけのダイニングテーブルには、私のために用意された夕食が並ぶ。



炊きたてのごはんに、あさりのお味噌汁。

ふっくらとしたカレイの煮付けにきんぴらごぼう、かぶの葉の胡麻和え……まるでお店のような完璧なメニューだ。



「あの、名護さんはまだお仕事ですか?」

「なにもなければもうすぐ戻られると思いますよ。今日は会食も打ち合わせもないみたいですし」



増田さんは私の向かいの席に名護さんの分の食事を並べると、ひとつひとつ丁寧にラップを張る。



「では私はこれで失礼いたしますね。お食事後食器はシンクに置いておいてください。明日わたくしが片付けますので!」



勝手にやらないように、と念押しして増田さんは帰って行く。

そうは言ってもさすがに食器くらいは自分で洗おう……。



ひとり残ったダイニングで食事を始めようと箸を手にすると、玄関のほうからドアが開く音がした。



ちょうど名護さんも帰ってきたみたいだ。

タイミングがいい。せっかくだし一緒にごはんにしよう。



そう思い玄関まで向かうと、脱いだ靴を几帳面に揃える名護さんの姿がある。


  
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