愛艶婚~お見合い夫婦は営まない~



寝てる……。



もしかしたらさっき戻ってきたのかも。

昨夜戻ってきた様子もなかったし……トラブルかなにかで夜通し仕事だったのかな。

副社長って忙しいんだなぁ。



テーブルの上には開いたままのノートパソコンがあることから、家に戻ってからも仕事をしていたのだろう。

そんな生活じゃ疲れちゃうし、うたた寝もしてしまうよね。

そっと近づきながら、その寝顔をまじまじと見つめる。



綺麗な寝顔……。

眠っているにもかかわらず脱力しきっていない、まるで人形のような顔立ちだ。



はっ、このままじゃ風邪ひいちゃう。せめて毛布を持ってきてあげよう。

そう思い、自分の部屋から毛布を一枚持つとリビングへ戻る。

そして名護さんにかけてあげようとした、その時。彼の足元になにかが落ちていることに気づいた。



あれ、なんだろ……。

毛布を一度置いて、屈んで手に取る。



それはガラス玉がついたストラップ。

ガラス玉には花の絵柄が描かれ、ストラップ部分と下についたタッセルはピンク色と、とても女の子らしいものだ。

ところどころ黒く汚れ、年季が入っていることがうかがえる。



かわいいストラップ……名護さんのかな?

でもそれにしてはずいぶん女の子っぽい気がする。それに、どこかで見たことがあるような……。



手のひらにそれを乗せ考えていると、目の前の名護さんがふと目を覚ました。



  
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