住みますか、住みませんか。

 …………ん?


「もっと広いお風呂。ゆっくり入りたくない?」


 浮かすって、なに? そんな裏技が?


「ベッドも。大きいのにしたいなって思うし。キッチンも使い勝手いいとこにしてさ」

「贅沢な感じだね」

「春になったら俺も2年目になる。まだまだ未熟ではあるけど真面目に働いてきたんだ。学生の頃よりはいい暮らししてもバチあたらないだろ」

「だね」

「前向きに検討していい?」

「……どうして。わたしに、聞くの?」

「うちに帰るとたまちゃんいてくれるって思うと、もっと頑張れるんだけどな俺」


 ――――!


「一緒に住もうよ」


 突拍子もない提案に、一気に頭がシャキンとなる。


「困ってる」

「ビックリ、してるの」

「こんな誘いは予想外?」

「そりゃあ」

「俺はこの数ヶ月、何度も考えてしまっていた。会えない時間にたまちゃんのこと。今、なにしてるかなって。そんな時間が好きでもあるんだ。ただ、いっそ一緒に住めたら、もっとたくさんのこと共有できるのにって。最近そんなことばかり思う」


 知らなかった。

 チヒロくんが、そこまで想ってくれていること。


 なにを不安になっていたんだろう。
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