永遠、というものがあれば
そう小さく言って、部屋をでていくharuに、私はそれ以上何も言えなかった。


好きな、人…いるんだ。


そうだよね。


彼女くらいいるよ。あんなに格好いいんだもん。



私…何言っちゃったんだろう…。




だけど…


だけど、あのキス…。


会えたんだよ。



多分…だけど。



だってそれじゃharuが私に前にもキスしたことになる。


やっぱり、思い違いなのかな…。



その時、


「陽菜!こんなとこにいたの?捜したんだから!」



入口の開かれたドアから舞がひょこっと顔を出した。


「携帯、音消してあるでしょ?」


「ごめ〜ん」


「ね、もしかして…誰かと会ってた?」


なんでそんなこと聞くんだろう。


だけど私はなぜ必死にごまかしてたんだ。



「ううん!ぼーっとしてただけ!」



なぜかharuとキスして、告って振られて、ということは言えなかった。
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