愛され妹っ。

下駄箱に着いたら、

クラスメイトの男子が、私の周りを囲んで、次々と質問攻めしてきた。


「え、一瀬さんって、彼氏いつからいたの!?」

「同じ学校?先輩?後輩?」
   

やっぱり‥‥もう知り渡っている。
彼氏とは、優希人君の事になっている‥

「えっと‥」

ぐるぐる回っても、周りは男子ばかりで‥
由奈ちゃんは、さっきまでいたのに、見つからなかった。


優希人くんは、彼氏じゃ、ない‥‥
というか、彼氏なんて存在がそもそもいない‥

この状況、どうすればいいの??



「あ、優樹ちゃん!おはよう!この騒ぎ、どうしたの?
そういえば、今日、教室の前に迎えに行くから!」


「え、あ‥おはようございます!はい!」


先輩の梅ちゃんが来て、またクラスメイトはざわざわし始めた‥。


「え、もしかして、あの先輩???」

などと、色々ボソボソ話されているのが分かって
私も心がザワザワした‥。

違うって、弁解したらわかってもらえるのかな??
私のお兄ちゃんです!って…
でも、優希人くん=兄≠彼氏 …だなんて言ったら、みんなになんて言われるんだろう…


「ちょっと、大丈夫?」

「…え?」

気付いたら、梅ちゃんが覗き込んでいて、驚いた…

「…わ!」


「顔色悪くなってない?男子になんか言われてる?」

キョロキョロと梅ちゃんはクラスメイトの男子の顔をみていた。


「先輩ですよね?一瀬さんと付き合ってるんですか?
彼氏なんですか?」


と、誰かが梅ちゃんに聞いた。


「…あー、そういうことだけど、何?優樹ちゃん、時間間に合わないから、行こう、教室まで送ってあげるから」

え?そういうことだけど、って、彼氏って認めた…???

なんで?騒ぎに巻き込まれるのに…

梅ちゃんは、私の手を引いて教室まで連れてってくれた。
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