その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
健太郎は下を向いて泣いているロビンの肩を抱いて、マンションへ向かった。
加賀谷の気持ちも分からないでもない。
だって、今の僕自身、加賀谷の状況と何も変わらないのだから。
利用されているのなら、大いに歓迎する。
僕を踏み台にして大空に羽ばたけばいい。
でも、それは僕の掌の中限定だ。
どういう状況であれ、僕はロビンを手離さない。
ロビンがどんな性悪な女だったとしても、僕は二度と手離さない。
ロビンはもう僕の一部だから…
部屋に入ると、ロビンはすぐに自分の部屋に籠った。
健太郎に嫌な予感だけがつきまとう。
「ロビン、コーヒーを淹れたけど…
飲もうよ、一緒に」
健太郎はマグカップを二つ手に持ち、ロビンの部屋のドア越しにそう囁いた。
でも、何も聞こえない。
「開けるよ」
健太郎が中に入ると、ロビンはここへ来た時と同じように小さなバッグに着替えを詰めていた。
この二か月近くのせいで増えてしまった荷物は頑丈な紙袋に入れている。
部屋へ入ってきた健太郎をちらりと見る事もせず、ロビンは黙々と出て行く準備をしていた。
「ロビン、やめろよ」
健太郎は持っていたコーヒーをテーブルに置くと、放心状態のロビンを引き寄せ抱きしめた。