その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
「出て行くなら、それはEOCとの契約が切れた日だろ?
今、出て行くのは、僕が許さない。
この先のロビンの人生を考えた時、中途半端に物事を投げ出す事は一番しちゃいけない事だよ。
一人で生きていくならなおさら。
神様は、ちゃんとした人間にしか、ちゃんとした人生は与えないんだ」
ロビンは大きな声で泣きだした。
健太郎が初めて見るロビンの嗚咽だった。
切なくて苦しくてたまらない様子が、健太郎の心まで締め付ける。
「か、神様なんて最初からいない…
ママが死んで、一人ぼっちになって、誰も私の事をちゃんと見てくれない。
ちゃんとしたまともな仕事につきたくて、何度も逃げ出したりした。
でも、パパが作った莫大な借金のせいで、私に自由なんてなかった。
私はお金を稼ぐための人形でしかなかった…
上海ではホステスとして超一遊の称号を与えられた。
でも、そんなの要らない。
ただただ、普通の生活をしたかった。
普通の事をする人生にずっと憧れてた。
ホステスとしては一流の扱いを受けたけど、それはお金を稼いでほしいから。
誰も私の事を一人の人間としてみてくれない。
ケン、分かる…?
ケン達にとっては当たり前の自由を、私は必死の思いで手に入れたの。
加賀谷君はそんな私に、初めて手を差し伸べてくれた人だった。
加賀谷君の気持ちを利用したって責められても何も言い返せない。
だって、本当の事なんだもの…」