その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
健太郎はロビンの内に秘めていた感情に初めて触れた気がした。
本当に苦しい思いをした人は、そういう話を他人にはしたがらない。
ロビンもそうなんだと思っていた。
でも、実際に、本人の口から生生しい過去の出来事を聞くと、健太郎の心蔵は相当のダメージを受けたように鼓動を忘れてしまっている。
「加賀谷君は、今の仕事をずっと辞めたがっていた。
でも、彼もボスに弱みを握られていて、簡単に辞める事なんでできない。
私は、確かに契約期間満了を経て仕事を辞めたんだって思ってたけど、それは加賀谷君の保護下に私を置く条件だったらしいの。
半年くらい自由にさせて、その後はまた復帰させる約束があったみたい。
加賀谷君は私と籍を入れて私が日本籍を手に入れたら、一緒にベトナムかどこかに逃げようと思ってたらしくて…
でも、私が居なくなって、彼は相当にボスにやられてる…
私のせいで、彼はひどい仕打ちを受けてる…」
ロビンは嗚咽を抑えながら必死に話し終えた。
健太郎は馬鹿らしさに笑いさえ出て来てくる。
ロビンが居なくなってしまった現在、そのボスの下ではそんな事が起こっているだろうと安易に想像はついたから。