その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
謙人は本当に人の話を引き出すのが上手い。
日本語で話す楽しさを与えつつ、難しい仕事用語もしっかり教えている。
健太郎は耳をふさぎたくなった。
ロビンへの想いが健太郎の全てを支配して、このままロビンを連れ去りたい感情に追い込まれる。
もう自分の気持ちに嘘はつけない。
この燃え盛るような感情は、嫉妬以外の何ものでもない事がはっきりと分かった。
健太郎は自分のブースから出ると、とりあえず謙人とロビンの元へ向かった。
帰る事を告げるために。
「お、明智君!
明智君も一緒にお喋りしようよ」
謙人は屈託のない笑みを浮かべて、健太郎を誘った。
でも、健太郎は肩をすくめながら首を横に振る。
いや、マジ無理…と心の中で毒づいて。
「ロビンは明智君が初恋の人なの?
明智君は、確か、ロビンに恋してたんだよな?」
ロビンは困ったように微笑むだけ。
健太郎はいつもの明智君でいる事に徹した。必死に…
「子供の頃の話ですから…
そうだったのかもしれませんね」
「今はどうなの?」
こんな時の謙人は嫌いだ。
自分のペースで世の中が回っていると思ってる。
いつもはそうかもしれないけど、今は絶対にそうはさせない。
「そんなの謙人さんには関係ないですよ」
謙人はにやりと笑った。
半分面白がって。