その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


「明智君、俺達はこの後食事に行くけど、一緒に行かないか?
ロビンは親子丼が大好きなんだって。
俺も大の卵好きだから、極上の親子丼を食べさせてあげようと思って。

行こうよ、一緒に」


健太郎は笑みを浮かべながら、首を横に振った。
恋愛の達人である謙人は、こんな風に男の僕の気持ちだって簡単に揺さぶる事ができる。
冷たく見せた直後に、優しい言葉をかける。
顔も性格も声質もいい謙人だからこそ、こんな簡単なやり方で人の心を奪い取る事ができる。

健太郎はそんな事を考えながら、チラッとロビンを見た。
健太郎と目が合って微笑むロビンは、切なそうに見える。


「僕は帰ります。
済ませなきゃならない仕事もあるんで」


健太郎はそう言うと、軽く頭を下げて入り口の方へ向かった。
僕のこのらしくない行動を、謙人は笑っているにちがいない。

健太郎は頭がおかしくなりそうだった。
きっと、ミアのようにロビンも謙人の虜になってしまうのか…?

エレベーターから降りた後、健太郎は一度立ち止まりまたエレベーターに乗ろうとする。
でも、すぐに止めた。

こんな自分のらしくない行動に、本当に吐きそうになる。
謙人が言っていた感情がむき出しになる恋愛というものの沼の中に、僕は飛び込んでしまったらしい。
それも自分の意思で…



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