【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「若宮(わかみや)さんマジで可愛い!」
「おいおい。アレは競争率激しいから、絶対俺らのレベルじゃ無理だろ」
白坂くんを含む男子達が話している声が聞こえてきた。
競争率が激しいと名前があがったその子は、私の隣のクラスの女の子。
廊下でデレデレ顔の男子と絶賛おしゃべり中だ。
彼女こそが若宮くるみちゃんといって、地球人最強の可愛さを誇ってるんじゃないかと私は思う。
女子力の高さとオシャレスキルは完璧。
話す仕草もいちいち可愛い。
その魅力に虜になった男子はデレデレ顔になり、顔面偏差値は著しく低下する。
「なぁ? 白坂はどう思う?」
気だるそうに頬杖をついている白坂くんが話を振られている。
チラリと視線をスライドさせると、やっぱりまた白坂くんと視線がぶつかって……数秒。
「……は。バカほど可愛いかよ」
そして、すぐにふいっと目を逸らされた。
これで四回目だ……。