【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「ちょっ、白坂がライバルとかキツいって! あー、勝てる気しねー」
ふむふむ。
絶対誰の告白にもオッケーを出さない白坂くんも、やっぱり若宮さんほどの女子のことは可愛いと思うんだ。
「あ。小夏、柳くんが呼んでるよ?」
涼太が教室の入口で手招きしている。
お弁当でも忘れたのかな?
「ちょっと行ってくるね!」
席を立って涼太のところへ向かう。
一瞬、白坂くんがこっちを見ている気配がしたけれど、振り返らずに廊下を出た。
「どうしたの、涼太」
「……小夏、俺やばいかも」
「お弁当忘れたの? でも私のチーズインメンチはあげないよ?」
「ちげーよ! そうじゃねぇ! 本気で、やべぇんだよ」
「顔が? いつも通りじゃん」
硬そうな黒い髪をくしゃりと握る涼太の背中をバシバシ叩いた。
「………俺、告られた」
「っ、はぁ!?」
な、なんだって……!?