医者嫌いの彼女
ー次の日ー

リビングに来た亜妃は浮かない顔をしている。

「亜妃、おはよう。調子はどう?」

亜妃「か…和弥さん…」

カスカスで殆ど声が出ていない。

「おぉ、声がやべぇな。ちょ…
口ん中診してみ。あーん」

亜妃「あ…」

扁桃腺が腫れている。

「腫れてんな…病院いくか」

亜妃「い、嫌。病院は…行かなくていい。大丈夫」

また出た、大丈夫。

絶対大丈夫じゃねーだろ。
泣きそうな顔してるくせに…

「でも喉痛いだろ?」

亜妃「…へーき。」

「薬飲んだ方が早く良くなるし。」

どうにかして病院に連れて行こうとするが…

亜妃「…今日日曜じゃん、外来してないでしょ」

なるほど、それを気にしてんのか。
外来…してないわけではない。
救急外来だってあるし、呼吸器だって
何かあった時に備えて休日も、数人は医者がいる。

「俺が診るんだし問題ないでしょ。」

いずれにしてもこいつの診察は自分でするつもり。

亜妃「今日はいい…明日行くから。」

しばらく考える。
多分こいつなりの優しさなんだろう。
ま、行きたくないだけ、明日治っていれば
行かなくて良い…みたいに考えてる可能性もあるが。

「…なら明日、朝イチで俺と病院な。」

そう言って、頷いたのを見て買い出しに行く
準備をする。

「とりあえず、その状態じゃご飯食べるのも
大変だな。ちょ…買い物行ってくるから待ってろ?」

亜妃「…私も行く。」

「今日は大人しくしてろ」

その状態で買い物行っても辛いだけだろ…

亜妃「…1人やだもん。」

「やだもんって…可愛いけど、今日はダメ。
ベッドで大人しく寝てろ。」
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