エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「和香菜……? おい、和香菜……!」
心配でとっさに呼びかけると、すうすうと安らかな寝息が聞こえてきた。
俺はホッと胸をなで下ろすが、それからは猛省タイムである。
俺の方が年上なのに。職場では鬼畜だなんて揶揄されるほど感情を殺しているのに。
和香菜がかわいすぎて、暴走して、完全に無理をさせた……。
「ごめん、和香菜。でも、それほどまでに俺は……」
きみが愛しくて、仕方がないんだ――。
胸の内で呟き、彼女の乱れた長い髪にそっと手を伸ばした。
梳かすように指を入れて毛先までその手を滑らせると、和香菜が「んん……」と小さく声をあげ、寝返りを打つ。
無防備に口をむにゃむにゃさせる寝顔が子どものようで、思わず小さく微笑んだ。
仕事中は優秀な事務官として俺のフォローに徹し、ベッドの中ではあられもなく乱れ、かと思えばこんなあどけない顔をして眠る……。
きみはまったく、どれほどたくさんの表情を持っていて、俺を惑わせるんだ。
「……好きだよ」
無意識に口からそんな言葉が出て、誰も聞いていないのに顔が熱くなった。
自分の中に、こんな甘い一面があったとは……。本気の恋というのは、本当に人を変えてしまうものなんだな。