エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

『あなた、本気で人を好きになったことないでしょう。つまらない人間ね』

 愛する相手に振り向いてもらえず、嫉妬の果てに事件を起こしたいつかの被疑者に言われた言葉が、ふと脳裏に浮かぶ。

 確かに、あの時の俺には見えていないものがあったかもしれない。

 どんな理由があろうと、犯罪者は犯罪者。その考えに変わりはないが、彼らがそれぞれ抱える背景に目を向け、理解しようと努力する姿勢。俺にはそれが足りなかったのではないだろうか。

 ……だから、香川検事正にも小言を言われたのだ。

 少しでも犯罪の抑止力になるのなら。罪を犯した者に正しく罰を与えられるなら。〝鬼畜の津雲〟だなんて異名も、悪くないと思っていた。

 しかし、いつからかそのイメージに胡坐をかいて……被疑者たちの心情にきちんと向き合っていなかったかもしれない。俺は、思いあがった検事だった。

 しかしそれでも、検事として正義を追求していきたい強い想いが揺らぐことはない。

 ……見ていてくれ、和香菜。俺は男として、検事として、今よりきっと成長してみせる。

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