エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

 しゃがみ込んだ俺に舞美は焦った声をあげたが、俺は迷わず隠してあった小型カメラを取り、彼女の前に掲げて見せた。

『俺をハメようとしたんだろうが……残念だったな。いい画が撮れなくて』

 舞美はふい、と顔を背け、唇を噛んでいる。

『恋人の男とグルなのか? あるいは、暴力で脅されて仕方なく従った?』
『……違う。これは私が勝手にしたことです』
『そうか。なら、今回だけは目をつぶることにするが……あまり検事を舐めるんじゃない。相手が女であろうと、俺は犯罪者に対して容赦はしない。覚えておくんだな』

 俺はそれだけ言い残し、舞美のアパートを後にした。

 彼女の交際相手が半グレ集団のリーダーであるということは気に掛かっていたが、これ以上彼女から得られる情報はなさそうだと判断し、あとのことは所轄に任せることにした。


 それ以来彼女から連絡はなく、日々の忙しさに追われて彼女のことはすっかり忘れていたのだが……今回和香菜が拉致されたというのには、彼女が関わっている気がしてならなかった。

 根拠はないが、検事としての勘だ。

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