エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「……友人や知人に紹介された女性と、何度か交際したことはある。しかし、うまくいったためしがない。例えば、仕事が長引いてデートの約束に遅れて、彼女が不機嫌になった。その時俺は、『じゃあどうすればよかったんだ。現在進行形で捜査している刑事事件を放り出して、きみのもとに駆け付けた方がよかったのか?』と聞いた。すると『そういうことじゃない!』と彼女はますます不機嫌になって、のちに別れを告げられた。……なぜだ?」

「わかりません。……でも、似たような経験は私にもあります。なんとなくぎくしゃくしていた恋人に、不満があるならちゃんと言葉にしてほしいと詰め寄ったら、『そういうところだよ』とだけ言われて……いや、どれ? って感じで」

 津雲さんは、苦笑しながら首を傾げる私をジッと見ていた。そしてグラスの赤ワインをひと口飲むと、テーブルに身を乗り出して、さらに私の顔を観察する。

「わからんな。客観的に見て浅見は美人、だと思うが」

 急に接近してきた津雲さんの方こそ圧倒的に美形なので、つい顔が熱くなった。

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