エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「資料を見に来たとかで、ここにはついでに寄ったと……」
「〝また今度〟というのは? まさかヤツと個人的に会う約束を?」
「とんでもない。ただの社交辞令というか、挨拶みたいなものだと思います」
だって、津雲さんに黙ってそんなこと……約束するわけありません。心の中でそう呟いていると、津雲さんがため息交じりに言う。
「あまり三船に隙を見せるな。前も忠告しただろう。あの男はすこぶる女癖が悪いんだ」
……なんですかそれ。私が悪いの?
咎めるような彼の口調に、思わずムッとしてしまった。
「それを言うなら津雲さんだって……!」
「……俺がなんだ?」
津雲さんの鋭い眼差しに射貫かれながら、私は泣きたいような気持ちで彼に言葉をぶつける。
「どうしてあの女の人の家に、検事である津雲さんがわざわざ、しかもひとりで行かなきゃならないんですか!? 警察に任せればいいのに、どうしてそうしないんですか!?」
本当はこんなこと言いたくない。だけど、今さらもう引っ込みがつかない。
「それは、彼女が警察相手には真実を話す気がないと――」
「だとしても、私を連れて行かない理由は? 私は津雲さんの立会事務官です。あなたのそばで、あなたとは違う角度で事件を見つめて、そうして一緒に真実を見つけ出すのが私の仕事です。なのにどうして、今回だけ……」