エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
私はその先の言葉を続けるかどうか迷って、唇を噛む。
仕事に私情を挟んではいけない……。頭ではそうわかっていても、心が納得してくれない。
胸が苦しくてどうにもならなくて、私はとうとう震える唇の隙間から、声を発した。
「若い女性の家にひとりで上がるなんて……下心があったんじゃないですか?」
津雲さんは私の言葉を聞いた瞬間わずかに眉根を寄せ、なんともいえない戸惑いの表情を浮かべた。それから静かに問いかけてくる。
「浅見……それ、本気で聞いているのか?」
「……冗談を言っているように見えますか?」
私たちは、しばらく睨み合うように互いを見つめていた。
しかし津雲さんから先に視線を外し、自分のデスクに向かった彼は椅子にどかっと腰を下ろした。そして私の方を見ないまま、淡々と告げる。
「仕事に戻ろう。一旦この話は終わりだ」
「……はい」
消化不良ではあるが、下心だなんだと、確かに仕事中にする話ではなかった。
少し頭を冷やさなきゃ……。私はぺち、と自分の頬を両手で叩いてから、再びパソコンと向き合った。