エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

 インターホンを押すと、少しの間が合って、玄関のドアが開く。スウェットにTシャツ姿の津雲さんが出迎えてくれたが、額にかかる長めの前髪のせいで表情や顔色がよく見えない。

「津雲さん、大丈夫です、か――」

 玄関に足を踏み入れながら彼に話しかけると、振り向いた彼の顔がゆっくり下りてきて、ぽすっと私の肩に乗った。

 背後でドアのオートロックが閉まる音がして、ふたりきりで接近している状況を妙に意識してしまう。

 でも、ドキドキしている場合じゃない。服越しにでも、触れている部分から、彼の体温がかなり高いのが伝わってくる。

「大丈夫じゃ……なさそう、ですね」
「ん……つらい」

 つらいって……子どもみたい。不謹慎だけれど、やっぱり今日の彼はかわいい。

「とりあえず、横になりましょう? 寝室、どこでしたっけ?」
「さっきまでリビングのソファで寝てたから、そこでいい。水が欲しい時とか、そっちの方が便利なんだ」
「なるほど……じゃあ一緒に行きましょう」

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