エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「あれは……悪かった。三船の軽薄な顔を見たら、嫉妬心が抑えられなかった。……でも、執務室で事務官に手を出すなんて検事失格だと思いとどまって……あんな中途半端な状況に」
「そ、そうだったんですね……」

 自分で聞いておきながら、具体的な心境を説明されると恥ずかしくなってしまった。

 赤くなっているであろう顔を隠すようにうつむくと、津雲さんが「浅見」と私を呼ぶ。いつもより掠れた甘い声にドキッとしながら、おずおず彼に視線を合わせた。

 すると、突然後頭部に手を添えられ、ぐっと彼の方に引き寄せられる。息のかかる距離で視線が絡み、熱で潤んだ目をした彼が、確認するように呟いた。

「ここでなら、いいよな?」

 私が答える前に、後頭部を支える彼の手に力が入り、ぶつかるように唇同士が重なった。

 津雲さんの唇、熱い……。

 触れている部分から彼の体温が一気に伝わって、頭の芯を蕩けさせる。

 数秒間重なったのちゆっくり離れて行った唇は、角度を変えてまた近づいてきたが、その寸前で私に尋ねる。

「……眼鏡、とっていいか?」
「は、はい……」

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