アイドル絶対殺戮戦線

絶望

今日中に100万円を集めろという無理難題を課されて、私たちが1番に必要としたのは注目だった。


たくさんのカメラがあるとはいえ、それと同じくらいたくさんの生徒がいる。


全校生徒107名から頭ひとつ抜きん出て100のLOVEを手に入れるには、もっともっと観客の視線を集める方法を考えないと。


手っ取り早いのは、と私はスポットライトに照らされる壇上を見つめる。


堂々が退場し少し寂しげなそこは、それでも講堂内で1番に目立っている場所だ。


ただ、あそこに立つには1分限定の貴重な権利を使用しなければならない。


――まだ早い。


私と同じようにみんなも考えるのか、そこに立とうとする人はまだいない。
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