先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
忘れ物は受付で聞いてくださいとのことだったので、受付で聞いて待つこと10分。
ようやく5日ぶりに上着にお目にかかることができた。

「すみません。とっておいてくださって助かりました。」

「いえいえ。こちらにサインだけいただけますか?」

サインして、はやくいかなきゃとくるりと踵を返した時だ。

エレベーターからちょうど降りてきたえりなさんが見えたのだ。

うわっ。えりなさん!

思わず、近くの衝立の下に身を隠した。
向こうは運よく気づいていない。

それに、えりなさんの横には、男性が一緒だった。
伊奈先生じゃない。もうちょっと若そうな…わたしくらいかな?

えりなさんのことを大事そうに後ろから見守りながら、ストンと一緒に待合の椅子に腰を下ろした。

えりなさんは何となく神妙な面持ちで…横の男性も深刻な顔をしている。

なんだろう?

しばらく動けず、待っていたら、心療内科のところのランプが光り、えりなさんが呼ばれた。

『長峰えりなさん。心療内科お入りください。』

え?長峰?
長峰って…

< 146 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop