先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
『選手。』
『だな。で、彩は何するの?』
『監督。』
『だな。緊張する必要あるか?』
『ない。』
『じゃあ堂々と構えとけ。おまえはベンチにいるだけでいいんだよ。』
『う…ん。ちょっとほぐれた。』
『ははは。じゃ。俺も行ってくるわ。』
『うん。いってらっしゃい。』
『彩もな。』
『行ってきます。』
亮平くんとの電話を切ってからわたしはひとつ深呼吸すると、ほっぺをパシッとたたいた。
よしっ!!
試合会場についてわかったことだけど、さっきの電話の会話がものすごく緊張をやわらげてくれてることがわかる。
選手たちにはわたしの緊張がバレないようにしないといけないのにこれじゃあ…と思ってたから…ほんとに…亮平くんには感謝だ。
というより…思ってたよりわたしが亮平くんに精神的に頼り切ってるってことなのかもしれない…
とにかく…選手に、出来る限りの言葉をかけて…勇気と闘志を奮い立たせた。
「みんな。普段通りだよ。勝っても負けても…最善をつくすこと…それだけ!」
円陣を組んでみんなに声をかけた。