先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
「それは大学に入ってからも続きました。
姉は大学には進学せず、かといって就職もせずに家にいました。
そのころには母も復職していたので、家のことはほとんど姉がしていました。

けれど家にいる分、どんどん姉の兄にたいする嫌がらせはエスカレートしていって、ついには『わたしをこんなにしておいて自分だけ何だと思ってるの?』とか『あんたなんか死ねばいい』とか言ったり、作ったご飯を兄に投げつけたりするようになったんです。

兄が亮平さんとの試合でうまくできなかったのは、その前の日にもかなりやられてたのでそのストレスじゃないかと…
そして、事故の日は、姉を病院に連れて行く途中だったんですが、姉から相当酷いことを言われて、そのせいで注意力散漫による不注意からの信号無視だと…
あとで、ぼくは姉に聞きました。」


その頃にはえりなさんからは嗚咽が聞こえていた。
今の話からするに…えりなさんの腕の傷は…車の事故でできたものではないということ…だよね?

「姉も怪我を負いましたが、それは幸い治るものだったので、今ここに姉は後遺症もなく生きています。

けれどそのあと姉の心は兄に対する申し訳なさでズタボロになり…ずっと生きる尸のように生きていました。

そして、亮平さんに出会ったのです。

そのあとのことは…ご存知の通り…

以上がぼくの知っていることです。」


俊哉さんは話し終えると、水を一口口に含んだ。


……

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