先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
「そうだね。」

わたしもあっさりしなきゃと思った。
そういう関係だったし…

「彩実…なぁ…いつか忘れるときくんのか?彩実は…」

「え?」

なんとなく大智がいつもと違うような気がした。
言い方がつきささるように聞こえた。

「忘れられねぇよな…。ほんと好きなんだな。先生のこと…。」

「う…ん…」

「彩実。もういい加減忘れろよ。そうじゃなきゃお前幸せになれねぇよ。俺は…アメリカで見つける。ほんとに愛するやつ…」

「大智…」

大智は本気で忘れるつもりなんだ。
あんなに心の奥から離れてくれなかった彼女のこと…。

「じゃぁな。彩実。元気で。就活がんばれよ。」

「うん。」

駅のホームでわたしを見送ってくれた大智に手をふるとわたしは電車に乗った。
大智の笑顔がなんとなく切なく見えた。

わたしもいつか…
大智みたいに忘れることができるのかな…

次の恋に…
走ることができるのかな…?

サヨナラ…
大智…


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