シャンプーくん
「おはよう明里!」
「おはようってのんびり言ってるけどもうあと30秒もすればHR始まるよ?」
まどかが登校してきて、わたしの前の席に座る。
まどかはいつもHRが始まるギリギリの登校。
美人で頭も良くてスタイルもいい。
男女問わず人気な彼女と同じ電車に乗りたくて、わざとギリギリに来る奴もいるくらいだ。
「ねえ、またシャンプーくん?」
まどかが後ろを向いて小声で尋ねてきた。
「まどか!ばれちゃう!」
「浅倉!芦名!HR中だぞ、静かに!」
まどかが登校してから少しの時間、シャンプーくんの話をして、怒られる。
今日もいつものルーティーンが始まった。