ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「……は?何それ。
灯里に他の彼氏⁇
そんなん、今まで1人もいなかったぞ?」

…へ?

「だから、彬良と別れてから…あ違った。
付き合ってなかったんだな。
ややこしいなぁ。
…大学に入って、彬良と疎遠になって、それでも灯里はずっと1人だったぞ。
俺、それくらいの鼻は利く。
それに、灯里が俺をおいて、彼氏を作るわけないだろ?灯里が母親みたいなものだったんだから。」

「いや待て!
見たんだ。大学で。男を連れてて。
そいつが、灯里の肩に腕回して、頬にキスしてた。灯里も笑ってたし。」

「…で、彼氏だって彬良に言ったの?」

言ってない。
でも、同じ男が、何回も馴れ馴れしく灯里とイチャついてたから……!
違ったのか⁉︎

「灯里の学科なら留学生や帰国子女もいたはずだ。
中には、馴れ馴れしく接するやつもいただろう。
それを勘違いしたんじゃないのか?」

……っ! 留学生⁉︎
その可能性を、全く考えなかった…
………マジか…。
俺、間抜け過ぎないか⁉︎



「俺が知る限り、灯里は誰とも付き合ってない。
おそらく……バージンだと思うぞ。」


……………‼︎‼︎



コンコン

「ここに居たの?
ご飯出来たわよ。待たせちゃってごめんね?」


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