チヤホヤされてますが童貞です
部屋に着くと、罪悪感を拭い去るためにテレビをつけた。
(凛のCMやってないかなぁ)
俳優として、凛には尊敬の念を抱いている。
発声はもちろん、立ち居振る舞い、全てが配役にピッタリで。
(俺もあんな風になりたい)
などと考える毎日。
ぼうっとしたままテレビの液晶を見つめていると、甘い雰囲気の画面に切り替わった。
『このルージュ、付けてみない?』
(あ、凛だ)
おそらく服部が言っていたCMが流れ出す。
タイミングの良さに驚きつつ、目線を食い入るようにテレビへと合わせた。
『キス、したくなる?』
凛の柔らかな表情と形の良い唇。
相手役の男の人は自分たちと同じ新人俳優だろうか。見たことがない男らしい雰囲気を纏う男性の肩に凛は手を置く。
『………してもいいよ?』
「えっ…」
画面に映し出されるのは、唇が重なってるか重なってないかわからない角度でのキスシーン。
妖艶な笑みは凛にとても似合っていて、色気を感じた。
『新作、出た!』
「…………」
数秒、軽く放心状態に陥る。
「……え!こんなのCM放送していいの!?」
不純異性交遊だ、とか言われるのではないか。
勝手に放送内容を心配して綾斗の味方、グーグルで検索をかけてみる。
(肉体的にセックスできるけど心が未成熟な未成年が………。あ、じゃあキスはいいの…?)
グーグルを見ながら綾斗の思考は巡り廻った。
そして数分後、自分の行動が馬鹿らしくなり、スマホをソファの上へと投げ出す。
「………」
しばし無言のまま、目を瞑った。
「……嫉妬してるとか…付き合ってもないのに…」
自分の独占欲に気づいている。
凛の他の俳優とのキスを見たくない。
変な独占欲を女優に抱くのは、あってはならないことだと断定できる。
それなのに苦しかった。見たくなかった。
「………変なの…」
(凛のCMやってないかなぁ)
俳優として、凛には尊敬の念を抱いている。
発声はもちろん、立ち居振る舞い、全てが配役にピッタリで。
(俺もあんな風になりたい)
などと考える毎日。
ぼうっとしたままテレビの液晶を見つめていると、甘い雰囲気の画面に切り替わった。
『このルージュ、付けてみない?』
(あ、凛だ)
おそらく服部が言っていたCMが流れ出す。
タイミングの良さに驚きつつ、目線を食い入るようにテレビへと合わせた。
『キス、したくなる?』
凛の柔らかな表情と形の良い唇。
相手役の男の人は自分たちと同じ新人俳優だろうか。見たことがない男らしい雰囲気を纏う男性の肩に凛は手を置く。
『………してもいいよ?』
「えっ…」
画面に映し出されるのは、唇が重なってるか重なってないかわからない角度でのキスシーン。
妖艶な笑みは凛にとても似合っていて、色気を感じた。
『新作、出た!』
「…………」
数秒、軽く放心状態に陥る。
「……え!こんなのCM放送していいの!?」
不純異性交遊だ、とか言われるのではないか。
勝手に放送内容を心配して綾斗の味方、グーグルで検索をかけてみる。
(肉体的にセックスできるけど心が未成熟な未成年が………。あ、じゃあキスはいいの…?)
グーグルを見ながら綾斗の思考は巡り廻った。
そして数分後、自分の行動が馬鹿らしくなり、スマホをソファの上へと投げ出す。
「………」
しばし無言のまま、目を瞑った。
「……嫉妬してるとか…付き合ってもないのに…」
自分の独占欲に気づいている。
凛の他の俳優とのキスを見たくない。
変な独占欲を女優に抱くのは、あってはならないことだと断定できる。
それなのに苦しかった。見たくなかった。
「………変なの…」