幽霊高校生のまつりちゃん
そしてあっという間に四時間目になり、次の授業は教室移動。
璃子は谷野ちゃんと、私は早織と同じなので、必要な教科書とノートを持って教室から出た。
ざわざわとしている廊下では他のクラスの人たちが集まってはしゃいでいた。こうして見ると本当に学校は集団社会だなって思う。
「……あ、あのさ」
私は抱えていた教科書をぎゅっとして、隣にいる早織に話しかけた。
「んーなに?」
早織はさっきからずっとスマホを触っている。画面には覗き見防止のフィルムが貼られているけれど、おそらく見ているのはSNSだろう。
「璃子ってさ……鍵つきのアカウント持ってる?」
本人に聞いたほうが早いことはわかっているけれど、どうしても本人には聞きづらかった。
「あーうん。持ってるよ」
早織の返事はあっけらかんとしていた。
早織が把握してるということは多分谷野ちゃんも璃子の鍵アカを知っている。
これは私の想像でしかないけれど、おそらくふたりはそっちのアカウントも相互フォローしていて、中の呟きを共有していると思う。
でも、早織と谷野ちゃんのSNSをチェックしてもフォロー一覧にはリコピンという鍵アカはなかった。……となると。
「もしかして、早織と谷野ちゃんも別のアカウントを持ってたりする?」
「うん」
「それって……鍵つき?」
「まあね」
私の不安とは裏腹に、やっぱり早織の返事は軽かった。