弟にしないで。

…これは絶対…

「れいちゃん私あの格好してみたい!」

でた。

「はるちゃん今日あのカーディガン持ってるかなー?」

しかも遥のでやろうとするし。

それもそうだけど。

「俺のでよければ貸しますか?」

「え!いいの!」

「ただし、その格好であんまウロウロしないでください。すぐ着替えてくださいね。」

俺の理性のためにも。

あと俺の嫉妬心のためにも、

他のやつに見せたくない。

意味とかわかってないんだろうし。

「はーい!」

現にニコニコしながら俺の着替えを置いてる部室棟まで警戒心ゼロでついてきている。

…ほんと、この人危ない。

いままでよく無事だったなとゾッとする。

部室について、自分のロッカーからカーディガンを引っ張って出すと、

桃奈さんは部室をキョロキョロと見渡す。

「すごい青春っぽい!マネージャーの気分!」

嬉しそう。

はるちゃんのロッカーだ!と盛り上がってる。
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