弟にしないで。
「…れいちゃんの彼女コーデ。」

満面の笑みで言われて、

動きが止まる。

というか、一気に顔に熱が集まった気がする。

「なんちゃって…って…れいちゃんなにその顔…可愛い…うつる…」

最初は意地悪に笑ってたくせに、

俺の顔をみて、

驚いて、桃奈さんの顔も真っ赤になる。

…うつるって、

俺やっぱりそんなに顔赤い…?

桃奈さんは狙ってんのか、

狙ってないのかわかんねーけど、

俺の貸したぶかぶかのカーディガンの袖を持って顔を隠す。

あ、萌え袖ってまじでキュンとくるんだ。

なんて考えてたら、

「れいちゃん…ごめん。調子乗りました…」

桃奈さんが顔を隠したまま、もう片方の手で俺のTシャツの前を掴んでいう。

っー!

「桃奈さん、だめですよ、」

「調子に乗りました…すみません…」

「そうじゃなくて、」

俺の服を掴んだままの桃奈さんの腕を引いて、

グッと抱きしめる。

「俺も男なのでなにするかわかりませんからね。」

そう呟くと…

しばらく桃奈さんが黙る。

…わかってくれた?

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