弟にしないで。
「姉ちゃん?玲司も。なんで部室?」
「…私が来てみたいっていってみせてもらってたの!はるちゃんはどうしたの?」
…隠した。
言いたくなかった?
遥に抱きつく勢いで話す桃奈さん。
「あぁ、俺らはミニゲームの方手伝おうかと思って着替えに…」
俺ら?
ふと視線を遥の奥に向けると、
横山。
「あ、桃奈さんここにいたんですね!さっき綾さん達見かけて、別行動されてるからもう帰っちゃったのかと思いました!」
「あ、萌愛ちゃん…」
桃奈さんがさっきまで遥に伸ばしてた手をゆっくり下ろす。
桃奈さん?
「えへへー、れいちゃんに案内してもらってたの!れいちゃん、次連れてって!」
え。
「えー、姉ちゃん俺とも回ろうよ〜」
桃奈さんは、少し固まって、
「私とれいちゃんの邪魔しないで〜」
なんておどけていって、
俺の手を引いて部室を出る。
急に出たから手にはまだ着替えようと思ってカーディガンと一緒に出した制服と、桃奈さんに渡されたカーディガン。
「桃奈さん?」