弟にしないで。
いつもの笑顔…じゃない…かも。
男として見られてないって感じて、
勝手にショック受けて、
突き放した言い方したの馬鹿すぎるだろ…
桃奈さんはさっきまで着てたカーディガンを軽く畳んで俺の方に差し出す。
…受け取るのが普通なのに手が出ない。
「れいちゃん?…怒ってる…よね、はしゃぎすぎてうるさくしたね、ごめんね?」
「れいちゃん?洗って返す?」
どう答えればいいか、
なんて言えばさっきの無理した笑顔をさせてしまったお詫びができるか、
考えるけどわからない。
…
ゆっくり手を伸ばして、カーディガンを受け取る。
「もう、いいんですか?」
「うん、調子乗っちゃってごめんね!」
さぁ、お目当のところに行こう!
振り返ってドアの方に桃奈さんが手を伸ばす。
「ちょ、」
止めようと思ったら、
同時にノックが聴こえて、
扉が開く。
「「あ。」」
「あ!はるちゃん!!」
桃奈さんの心から安心したような顔に少し複雑な気持ちになる。