離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
「先ほども言いましたが、彼女にはきちんと言い含めてもらわなければ困ります。プライベートな時間に対応されることは、私はまったく構いませんが、会社にまで訪ねて来られるのは非常識です」
一息にそこまで喋って、だけどどうしても言い足りないことがあって、更に言葉を付け足す。
「休みの日に会いに行かれるのも、和也さんの自由です。隠して行かれる必要もないので」
言ってから、少しも気が晴れないことに気が付いた。
――あれ、私が言いたかったことはこんなことだったんだろうか。
このモヤモヤする感情を、どう言い表せばいいのかわからない。
「いずみ……?」
「土曜日、出かけられたのも麻耶さんのことだと今聞きました。別に隠さなくてもいいのに」
和也さんの声に、はっとする。冷静に喋っているつもりで、私は彼の顔も見えていなくて、今ようやくその表情が視界に入る。彼の表情にも、焦りと同時に困惑の色がにじみ出ていた。
私の反応の意味を、測りかねているような気がした。それから、やはり焦りの方を強くしてさっき振り払った手がもう一度私に伸びてくる。
今度は簡単には解けないよう、しっかりと二の腕を掴まれた。