離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

 ……そりゃ、いくら実情は単なるルームシェアだといっても、ひとりじゃなかったんだから。寂しく感じて当然だ。
 この感情をこれ以上掘り下げてはいけない気がして、一旦中断、頭の中から振り払った。


「和也さんってそういえば犬派ですか。猫派?」
「犬だな」


 即答だ。なんとなくそんな感じはした。


「ただ、俺は大型犬がいいな。でかいのわしゃわしゃ撫でまわしたい」
「ああ! すごく似合いそうです」
「昔、近所の犬にめっちゃ懐かれて、飼い主のじいさんに散歩のアルバイトさせてもらってた時がある」


 いつのまにかまた真横に戻って来ていた和也さんが、懐かしそうに話す。ああ、本当に犬が好きなんだなあと見ていてわかる横顔だ。


「いいですねえ。大型犬の散歩って体力要りそう」


 大きい子も可愛い。けど私が飼うならやっぱり小さい子かな。でもひとりで住むなら大きい子の方がなんとなく、安心感もありそうな。

 ……それにしても、離婚して、犬を飼って……そういう生活になると今度は犬の為にすみやすいマンションとか、買ってしまいそう。

 そうなってくると、もう一生結婚しないような気がしてきて、乾いた笑いがもれた。
 自分の将来が目に浮かぶようだ。貯金に励もう。

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