暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》

リリアン…無事に目が覚めたのね。

お世話になったサニー達には申し訳ないけど、元の日常に戻る時がきたの。

私も、貴女達も。

そう言えば……

「陛下はどうしてるんだろう…?」

「あら、珍しいわね?貴女が陛下に興味を持つなんて」

あ、しまった!

「え、えぇ…ちょっと気になって」

「お妃様が居なくなって、ちょっとピリピリしているらしいわ。朝お世話に行った子が言うには、凄く不機嫌だったとか」

陛下が寝てる間に姿をくらましたから、怒ってるのかもしれない。

契約も途中だったし。

「それは…お世話に行った人も大変だったね」

時間が経てばその内忘れていくのだろう。

私はただ、周りの幸せを願いながらメイドとして静かに生きよう。



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