【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

「菫さん、ノエールの春のキャンペーンについてなんですが。
ランチで出ているアフタヌーンティーがやっぱり好評なようで。
夏の方の案も何個か持ってきたのですが見ていただけますか?」

「えぇ、ありがとう。あら素敵じゃない。三井さんはやっぱりセンスがあるわねぇ~…。
女心を擽るわね。」

「最近は親子連れで来店する奥様が多いんです。だから子供向けの物を作るのも良いと思うんですよ。
メニューもちょっと子供向けで可愛らしい感じの」

「うんうん、いいと思う。フルーツを動物型に切り抜いたら子供にもきっとウケが良くなると思うわ。
店舗の方に行って、かけあって見るわね」

三井さんは昨年入社したばかりの新入社員だが、とても仕事にやる気があって何よりもセンスが良い。

私が担当するお店は父とは違い若い女性層がターゲットであるので、流行りに敏感な若い社員はとても助かる。

ノエールもボヌールも女性客を中心に、売り上げも上々だ。

それに父が私を信頼してくれて、新しい店舗を任せてくれるのも、まるで認められているようで嬉しい。

「それにしても菫さんの作るお店は素敵ですよねー…。わたしもいつか菫さんのようなお店を手掛けたいですー…」

三井さんは恍惚とした表情をこちらへ向ける。どこまでも仕事にやる気のある女の子だ。とても好感が持てる。

「きっと出来るわよ。三井さんなら」

「それに菫さん自体が私の憧れなんですッ!
ほんっとかっこいい!可愛いのにかっこいい女性なんてずるすぎますッ。
若いのに仕事も超できるしッ」

「アハハ、ありがとう~。私も三井さんみたいに可愛い子からそう言われると悪い気はしないわ」


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