私に恋する可能性
「意外ですか?」
多岐くんを見上げた
バチっと目が合う
うわああっ
思わずブンッと顔を前に戻した
こ、こっち見てるとは思わなかった
「意外ってか…うん。人見知りとか程遠い言葉だと思ってた」
良く言われます
「感情が前に出てると平気なの?」
まあ…多少は
「そのくらい、俺のこと好きなの?」
うぐっ
…多岐くんがどんな顔してるのか見てみたいけど
ちょっと今そんな勇気はないので
前を向いたまま唇を噛む
「…」
そのままコクリと頷いた
「そっか」
…
ん?
っっ!!?!?
「た、た、多岐くん!?」
「なに?」
いやっ何じゃなくて!!
「あっ…と、え、TE、て、手が」
「手くらい繋ぐだろ?カレカノなら」
つ、つな
はひっ?
多岐くんの一回りくらい大きな手が私の手を包んだ
今度こそ多岐くんの顔を見上げると、今度はこっちを見ていなかった
むしろ何故か逆側を見ている
手を繋いでる
学校の帰り道
昨日は怖かったはずのこの道が
今はすごく…明るく見える
「ねぇ」
「は、はい?」
「…敬語やめて」
「え」
「敬語使うの禁止ね」
え、えぇ…
「わかった?」
「わかりま…わ、わかった」
できるかな
頑張ろ